君自身も知らない、ペルソナ（と腕とチョコレート）

アドバスターズ翻訳メルマガえっちらおっちら続けております。今回の訳はえらいしんどかったなあ、エッセイ調のは雰囲気を伝えるのがむつかしいのね〜。

タイトルはいつも適当に考えてます。
だいたい５秒くらいで決めてます。
しっくりきたり、こなかったり。どうなんだか。

もともとアドバスターズの最新号を斜め読みした時に妙に気になった記事だったのですが、このテのオチなし情緒系とでもいいますか、もの静かなんだけど論理的というよりは感情直接刺激効果のある物語がもともと好きなんですよ。ブラッドべリ（と比較するのもなんですが）を読んでる時はかなり現実の事態から遊離しながらモノを考えてるきがしますが、まあそんな感じかも。
ぎりぎりの場所でリアルな自分の世界と繋がっているくらいが、余暇に読む物語としてはちょうどいいのかもしれません。いくら実用的といったって、毎日「外国為替相場の知識」みたいのオンリーで読んでたらぐったりしちゃうわな。

ド二ーにグレッグにマリーに「僕」、全員のつけてる仮面とその裏側は誰もに（すこしずーつ）あてはまってる気がする。「僕」の人間観察はかなり本質をついてるでしょう。でも浅い分析のみにとどまっているにすぎない。所詮、想像の範囲にしかすぎない。他人なんて理解できるわけがないんだからね。

「僕」は一歩後退したところから全ての物事を見て、分析して分類して、自分もその総体のシステムの中に組み入れられているという視点を持ち続けてる。メタ視がすきなのかな？　そうすることで安心しているのかもしれない。自己を消し去っちゃえば総体との統合は快感だもの。
でも本人はそれが完璧に出来ているつもりなのかもしれないけど、本当は出来てないでしょ、彼。諦念というかたちで自分を納得させてても、どこか逃避のにおいがする。
システムに異常が起きた時（自動販売機に腕がつまっちゃって会議に遅刻した時とかね）にはじめて、その「逃避している事実」と「いろんなことを超越している気になっている意識」のあいだに矛盾が出てきちゃう。きっと人生のところどころで彼は客体になれなくなる。主体の視点が客体の視点を凌駕したその時に、こいつは自分の意志で決定を行うことが出来るんだろーか。

「僕」は自分を主人公にした小説をずっと読み続けてるだけだ。

そのまま生きてたら間違いなくいつか精神疾患になるよ、「僕」。
それじゃなきゃひきこもり。。。。。

なんてことを、私の想像の範囲で考えてみました。浅い分析ですハイ。
個人的には「僕」よりよっぽど俗物三人組のほうが愛着もてるけどね。特にグレッグの寛容精神とかサイコー。いやあ、わかりますよその気持ち。なりたいものとなれるものは、ほんとに正反対のとこにあるのよね。自力では理想のかたちになれないってことを既に自分でわかっちゃってるからこそ、どうにかして（ドラッグだろーが東洋思想だろうがとにかく使って）目指すわけじゃない。
いいねえ、人臭くて。

そんなわけで感想でした。メルマガ本誌だとこんなにスペースないし、あんまり自分の視点が入り過ぎてる感想も書くのまずいかなーっと思っちゃうんだよね。考えたこと整理できてスッキリしたわあ。